どのような職種においても、人間社会を形成し円滑な循環を図る意味では、同等に価値のある職業と言えるのですが、特に医療従事者という立場は、人間の生命に直接関わっており、その技術の如何によっては、患者の生死を左右するだけに、その精神と技量には、いつの時代にも高宗たるものが求められるのは、自明の理とも言えるでしょう。
最も重要なものは「患者の立場にたった医療」であり、インフォームドコンセントこそが、現代の医療体制の中において必要不可欠な要素であると認識を深めることが、これから医療を志すあなたの真摯な態度をみせることになります。
そこで、一点考えていただきたいのは、現代の日本の医療体制において、なぜ今更「インフォームドコンセント」の重要性をこれほど提言しなくてはならない状況なのか、ということです。
今までの医療体制の実態の問題点はどこに原因があったと考えますか? 医師のモラルの低下、知識や技術能力の低下などとも関連付けながら、あなたなりの分析をしてみてください。近年、特に問題提起されている医療過誤による患者死亡事故などは、患者側にしてみれば、医師に対する信頼を根底から崩してしまう大きな社会問題となっていますね。このような問題が表面化してきた原因は、一体どこにあると考えますか? 患者の立場を第一に考えていれば、起こるはずもないような事例も多くあります。患者の身体をまるで実験材料のように扱う大学病院や、専門以外の治療を自信のないまま施している夜間治療の実態など、患者側にしてみれば、不安材料は数え切れないほどです。このような問題に対して、医療従事者側が、真に患者側の立場にたった医療を行なうためには、どのような意識改革が望まれるでしょうか。
これからの医療のあり方は、医者と患者とが対等の立場で協議と情報交換とを行ないながら、病気治療に立ち向かうことが理想の姿となります。そのためには、医者と患者の人間同士のレベルでの信頼関係を築き上げることが重要と言えます。